世界一周するとなった時に考えなければいけない予防接種。
予防接種の必要性を正しく理解してない人が多い気がしますが、予防接種は自分自身を感染症から守り、周囲の人への二次感染を防止するものです。
自分が発病しなかったとしても感染して日本に持ち帰ったら誰かが感染してしまう可能性があります。
自分を守るだけではなくそのようなリスクを下げるためにするのが予防接種です。
この記事では世界一周するにあたり必要な予防接種の種類とタイで受けた場合の費用について解説します。
どのワクチンを受けるべき?
厚生労働省のHPで国ごとに必要なワクチンが確認できます。
アフリカ・中南米に行く人は、黄熱病が必須です。
アフリカの国によっては黄熱病ワクチンを打っていないと入国拒否される場合があります。わたしはケニアとタンザニアでイエローカードを確認されました。
それ以外のワクチンは必須ではありませんが、受けておいた方がいいです。
わたしの場合は、「なんとなく行きたい国は決まってるけど他の国も行きたくなるかもしれない」という非常に曖昧な感じだったのでワクチンを決めるのが大変でした。
同じようにルートが曖昧で旅行期間を1年程度で考えてる人は、わたしと同じものを受ければとりあえず大丈夫かと思います。
あとは必要に応じてどこかの国で接種する形がおすすめです。
ちなみにわたしが受けたのは、黄熱病・A型肝炎・腸チフス・3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)です。
この4つであれば、タイのスネークファームで1回の通院で済みます。A型肝炎を1種ではなくA型B型混合ワクチンにしてしまうと複数回の接種が必要になるので注意してください。
予防接種ワクチンの種類
黄熱病(Yellow fever)
アフリカや南米の熱帯地域に行くなら必須のワクチン。入出国時にイエローカード(黄熱予防接種証明書)受けてないと入国できない場合もあります。
蚊によって媒介されるウイルス性の感染症で、致死率は5~10%ですが、流行時や免疫をもたない渡航者などでは、60%以上に達する場合も。
黄熱予防接種証明書は接種後10日目から生涯有効です。
A型肝炎(Hepatitis A)
食べ物から感染する病気で、アジア、アフリカ、中南米など発展途上国に行く人は受けることをおすすめします。
発症すると倦怠感が強くなり、重症になると1か月以上の入院が必要となる場合があります。
A型肝炎1種のワクチン(Havrix1440)であれば、1回の接種で1年有効。国産の1種の場合は複数回接種が必要です。また、A型B型混合ワクチン(Twinrix)の場合は免疫を得るために最低でも2回の接種が必要です。
B型肝炎(Hepatitis B)
母体感染と性行為(唾液や体液の濃厚接触)を通じた感染の2つが主な原因で起こる病気で、海外で医学的な治療や歯科治療を行う際にかかる可能性もあります。
ワクチンは4週間間隔で2回接種し、さらに、20~24週間後に1回接種します。
また、A型B型混合ワクチン(Twinrix)の場合は免疫を得るために最低でも2回の接種が必要です。
破傷風(Tetanus)
破傷風は傷口から感染する病気で、日本を含む全世界で感染する可能性あります。
危険地域に行く方や発展途上国のようなけがをする可能性の高い地域に行く方におすすめするワクチンです。
1回の接種で10年有効なので、子供の時に破傷風・ジフテリアワクチンを受けていれば20代前半位までは免疫があります。
ジフテリア(Diphtheria)
咳などにより人から人に感染する病気で、ロシアや東ヨーロッパに長期間行く人におすすめするワクチンです。
1回の接種で10年有効なので、子供の時に破傷風・ジフテリアワクチンを受けていれば20代前半位までは免疫があります。
腸チフス(Typhoid fever)
飲み水や食べ物から感染する病気で、アジア、アフリカ、中南米など発展途上国に行く人は受けることをおすすめします。
潜伏期間は2週間前後で、39~40℃の高熱、下痢または便秘などを引き起こし、まれに、腸穿孔・腸出血を起こすこともあります。
1回の接種で2.3年有効です。
狂犬病(Rabies)
発病すればほぼ100%が死亡する病気で、オセアニアなど一部を除きイヌだけでなくキツネ、アライグマ、コウモリなどの動物に咬まれることによって感染する危険性があります。
ワクチンは4週間隔で2回接種し、さらに6ヶ月から12ヶ月後に3回目を接種します。3回のワクチン接種後、6ヶ月以内に咬まれた場合には追加で2回の接種が必要です。
事前の予防接種がなかった場合は、5回の接種が必要になります。
費用
《タイのスネークファームで受けた場合》
・登録料 20THB
・受診料 50THB
・黄熱病 1200THB
・A型肝炎 1400THB
・3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風) 600THB
・腸チフス 400THB
合計:3670THB(4031円)
ちなみに日本のふたばクリニックで受けた場合、黄熱病のワクチンは扱っていないので、それ以外のA型肝炎・腸チフス・3種混合を受けると22,500円なります。
2023年6月現在は、3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)/6,600円、腸チフス/12,100円、A型肝炎/7,700円〜、となっているようです。
こちらからふたばクリニックの予防接種料金を確認できます。
黄熱病は検疫所やトラベルクリニックなどで12000円ほどで接種可能です。
補足
黄熱病はチェンマイの方が安いです。
バンコクが1200Bなのに対してチェンマイは700Bで受けれます。
チェンマイの病院は診察料もかからないので黄熱病だけチェンマイで受けるのもありかと思います。
狂犬病に関してですが、わたしは受けませんでした。1ヶ月以上通院が必要な上に予防接種を受けて噛まれた場合に受ける治療と、受けないで噛まれた場合に受ける治療が同じだったからです。
ただ、噛まれるリスクがある場所に行く予定があって、噛まれた場合にすぐに治療が受けられる可能性が低い人は予防接種を受けた方がいいと思います。
8ヶ月の旅で幸いわたしは大きな病気はしなかったけど、インドで下痢と高熱にやられた時は本当に辛かったし、ケニアで高熱出した時はマラリアにかかったのかと思って泣きました(笑)(結果的にマラリアは陰性でダナキルツアーの疲れと判断されたけど)
費用はできるだけ安く抑えたいとは思いますが、病気は治療するより予防する方がずっと楽だし安く済むので、世界一周に行く方はちゃんと予防接種は受けて行ってくださいね。
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